今はもう良い思いで話。
メールもケータイも無かった時代のお話。
全国の駅ごとでイベントを行うキャンペーン企画で、1年間にわたりイベントの設営・撤去で、学生バイトを直接ハンドリングしたことがある。
一駅の開催は1~7日間。
駅ごとで現地採用のバイトを10~15名くらいを採用してゆく。
募集~採用は当時所属していた東京の会社が行なっていた。
バイトの確認は、本番の前夜に宿泊しているホテルへFAXでバイトの名簿が届き、本番の朝に点呼するというやり方だった。
東京を出発して関東近県を回る間は順調に集まっていたが、北関東あたりで学生の夏休みシーズンに突入した。
すると、前夜のFAXに書かれている人数が2名とかになる。
オーダーは10名だから8名足りない。
愕然とする。
慌てて会社に電話すると「集まらなかった。ごめん。」
「おい!こんなところに知り合いなんかいないぞ!」と怒鳴ってみても始まらない。
スグに気を取り直して、FAXのバイトに電話して友達でも兄弟でもイイからーと頼む。
翌朝7時に、集合場所に行ってみると当初のバイト2名と、友達2名の計4名が佇んでいる。
あと6名。
ヤバい。
オーダーが守れない。
聞いたこともない田舎の駅、朝7時、知り合いナシ。
絶体絶命。
設営は始めておかねば本番に間に合わない。
到底うまくゆくはずはないと思いながらも、一縷の望みを賭けて最後の手段。
現地即時調達=ナンパ。
バイトに駅前で道行く男性にナンパさせる。
「今日この駅でイベントあるんだけどバイトやんない?」
一人、また一人と、設営現場にやってくる。
スグにスタッフジャンバーを着せて作業へ。
本番開始の10時には何事もなかったかのように10名が整列。
ウソのような本当の話。
イイ時代でした。
当然こんな成功はわずか。
ほとんどがオーダー守れず、平謝りの毎日だった。
今となっては良い思い出です。