展示会場には、数百にのぼるブースがひしめき合っているのだから、一つのブースにかけられる時間はわずかしかない。
とはいえ、掘り出し物をうっかり見落としたりしないように意外とこまめにチェックしているために、会場をくまなく巡りたいとも思っているといます。
ところが、出展者は販路拡大を主目的に出展しているために、特に目新しくもないモノ・コトを惰性のように陳列展示してしまう。
突っ立っているブースのスタッフは、販路拡大の使命感だけは持っているから「目新しくもないのになー…ダルイなー」と思いつつパンフレットを胸に掲げ声をかけるといった、夜の繁華街の呼び込みの兄ちゃんスタイルとなってゆく。
そうすると当然ながら、ダルイ空気をまとった呼び込みの兄ちゃんの妖しさが蔓延するブースになって、来場者が目を向けてくれない存在となって、ダルさの悪循環がループするようになってしまう。
ヒドイ展示会になると、通路に呼び込みの兄ちゃんと、ミニスカートの呼び込みの姉ちゃんがズラリと並ぶ歌舞伎町のようになる。これは怖い。
じゃあヒマなブースなのに、黙って突っ立っていればイイ…って、そんなことはない。
ヒマなブースを作らなければイイのです。
ヒマなブースは総じて、壁に目新しくない説明パネル、カウンターに目新しくない製品やパンフレットなどの「完成品」が並べられている。
これでは、ヒマになります。
ここで重要なのは、目新しいかどうかではなく「完成品」の扱いにあるのです。
今さらながら(有形無形を問わず)「完成品」には、製品としての完成度は及第点としての完成度でしかないはずです。なぜなら「売れる」には完成度もさることながら「売れる価格」「売れるデザイン」「売れる仕様」も重要視するために、完成度を抑えざるを得ないはずです。製品もパンフレットもパネルも然り。
完成品には、そういった事情が含まれているのに、黙って展示してあるだけではわかるはずがありません。
このあたりの事情や、開発のいきさつなどの文脈を理解してもらってから、完成品をご覧いただければ従来の陳列展示をはるかに超える成果に繋がるのです。
必ず上手くゆきます!
具体的には、マタ次回。