医整形外科、脳神経、放射線、遺伝子研究、獣医など、医療系の学会に付属したコンパクトな展示会のご依頼がある。
これは、ビックサイトのような、いわゆる展示会場ではなく、ホテルなどでよく見かける専門学会のことです。多くの場合、学会自体は会議室などで行われるのですが、休憩時間や開催前後の時間にはロビーで、懇親会などの時間には宴会場の片隅でコンパクトなブースを構える、学会ではおなじみのスタイルです。
ここでの展示のコツは、一瞬で言いたいことがスッと理解できることもさることながら、思わず見入ってしまうような切り口のアプローチです。メーカーの営業マンが夜の繁華街のように立ち並び、見飽きた製品展示を陳列しているだけのブースには辟易としています。
そもそも学会の展示会は、一般的な展示会とは違い、およそ最新情報や設備・技術などは入手済みで、今さら「展示」をしたところで医療関係のプロたちにとっての目新しさは無い。
ただ、医療関係者といえ、未だ現場に導入されたり広まっていたりはしません。
ましてや、クライアント(患者さま)にとっては推して知るべしである。
となれば、インフォームドコンセントでクライアントに(患者さま)できるだけストレートで、わかり易く伝えるプレゼン手法・ツールが必要になってきます。もし、学会の展示会ブースでこれらの「プレゼン手法・ツール一式」が
・貰えるとしたら…、
・ある程度カスタムできるとしたら…、
どうでしょう?
学会の展示会に出展するメーカーは、殆どが世界的にメジャーな会社ばかりですから、製品・サービスはタイプが異なるだけで、ハイエンドレベルです。選択理由は、お付き合い、慣れ、好みなど性能以外の理由が多いのです。
学会の展示会では「プレゼン手法・ツール一式」が貰えることを武器に、この「性能以外の理由」での採用へのアプローチを行うことが、成約へ繋がるブースなのだと思います。
とはいえ、内容はプロが見るとバカバカしいとさえ思えるほど他愛も無いものです。
以前「不織布」展示会で、「綿あめマシン」を持ち込んで綿あめを作ったことがあります。不織布のプロが集まる展示会で、今さら…かと思うかもしれませんが、一見あたりまえのようなことでも使い方しだいでは面白く見せることもできるのです。
まずは話を受入れてもらえる気持ちになってもらわないと、話が次に進みませんし「良い信頼関係を構築するのだ!」と手を振りかざしてみても注目してもらってからでないと前に進めようがありません。
自社の製品を売り込むのも重要ですが、このあたりの痒いところに手が届くお付き合いが大切なのだと思います。この角度からのアプローチができれば他社に差がつけられるのです。