久しぶりに、とある飲食店へ伺うと
いつものようにアイロンの効いた暖簾と、掃除の行き届いた店内だった。
でも、客席にはお客さんが一人も居ない。
時間帯にもよると思うけど、無人とは…。
さぞかし店主は凹んでいるんだろうなぁと、声をかけてみると
いつもと変わらぬ笑顔と、張りのある声が返ってきた。
心配顔で訊いてみると
「お客様が入らないからとサボらない。受け入れる準備はキチンとやる。それだけ。」
売り上げが、効率が、在庫が…と泣き言でメニューを削らない。
堂々とした、心意気に惚れ惚れする。